保ち合い相場における株式トレード戦術とは
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株式売買テクニック
保ち合い相場は、道路標識の「止まれ」とまったく同じです。
つまり、保ち合い相場はいったん立ち止まって方向を確認し、相場がどちらに進むのか、はっきり安全確認してから進むのが賢い戦術だということです。
では、保ち合い相場の時には、具体的にどのようなことに注意すればいいのでしょう。
今回は、保ち合い相場における株式トレード戦術について考えてみたいと思います。
保ち合い相場とは力が拮抗した状態
株価の変化は、価格を押し上げる力と価格を押し下げる力のバランスによって決まります。
つまり、押し上げる力よりも押し下げる力が大きければ株価は下落し、押し下げる力よりも押し上げる力の方が大きければ株価は上昇するということです。
保ち合い相場とは、株価が上下どちらにも大きく動かない状態のことをいいます。
つまり、保ち合い相場とは、両方の力が拮抗した状態と考えることができます。
そして、保ち合い相場では、株式トレードは仕掛けず、監視を続けることがセオリーだと考えられています。
なぜならば、売りと買いの力が拮抗しているため、株価がどちらの方向に進むのか、予測することが非常に困難だからです。
また、保ち合い相場は、株価を変化させるエネルギーを貯め込んでいる準備期間とも考えられています。
つまり、保ち合い期間が長くなればなるほど、保ち合い放れした時の株価の変化は激しくなり、大きな利益が期待できるということです。
保ち合い相場で株価の監視を続けることは、退屈なことかもしれません。
しかし、株価アラートや逆指値注文などを有効に活用すれば、最低限の手間で保ち合い離れのチャンスを逃すことがなくなるはずです。
保ち合い相場は、株価を変化させるエネルギーを貯め込んでいる準備期間を考えることができれば、退屈な監視を続ける価値は十分にあると、私は思います。
保ち合い相場の種類は重要か
保ち合い相場は、三角型、ペナント型、ウエッジ型などの種類があり、それぞれの種類にも上昇タイプと下降タイプがあります。
保ち合い相場の種類を覚えることは、株式トレードに関する知識を深めるためには必要なことかもしれませんが、どれだけ知識を深めたとしても、上手に株式トレードができるとは限りません。
保ち合い相場で上手に株式トレードを行うためには、保ち合い相場の種類を覚えることよりも、実際の株式チャート上で保ち合い相場を保ち合い相場だと認識できることが重要です。
こんなことを言うと、「なにを馬鹿げたことを・・・」と思うかもしれませんが、本に書かれている保ち合いの株式チャートは理想的な株式チャート、実際の株式チャートは人の欲や感情や表現されている株式チャート、理想と現実には必ずギャップが存在するのです。
「知っている」と「やっている」は違います。
「やっている」と「できている」も違います。
保ち合い相場の知識を丸暗記するよりも、重要なことはたくさんあると、私は思います。
保ち合い相場は保ち合い放れ(ブレイクアウト)を狙う
買いと売り、両方の力が拮抗した状態もいつかは保ち合い放れとなり、株価は上か下どちらかの方向に進んでいきます。
そして、株価がどちらの方向に進むのかの判断材料の重要ポイントになるのが、上値抵抗線と下値支持線です。
上値抵抗線とは、株式チャートの高値と高値を結んだ直線のことで、下値抵抗線とは、株式チャートの安値と安値を結んだ直線のことです。
株価が上値抵抗線または下値支持線を突き抜けた状態をレンジブレイクアウトといい、株価が上値抵抗線を突き抜けることをブレイクアップ、株価が下値支持線を突き抜けることをブレイクダウンと呼びます。
そして、株価がレンジブレイクアウトしたら、ブレイクアップは買いのチャンス、ブレイクダウンは売りのチャンスと考えることができます。
また、レンジブレイクアウトは、トレンドが変わったと判断できるため、ブレイクアップの場合には、上値抵抗線が下値支持線に変わり、ブレイクダウンの場合には、下値支持線が上値抵抗線に変わります。
ただし、株価が上値抵抗線または下値支持線を突き抜けたからといって、トレンドが変化したと判断するのは早計です。
なぜならば、上ヒゲや下ヒゲに代表されるような「ダマシ」によって、トレンドが継続したり、逆方向に進むことも考えられるからです。
ブレイクアウトのダマシを防ぐ方法としては、上値抵抗線や下値支持線から少し離れた位置で株式トレードを仕掛ける方法や、ブレイクアウト後の押し目を狙う方法などがありますが、どの方法も一長一短あり、完璧な方法はありません。
保ち合い相場からのブレイクアウトで株式トレードを仕掛ける場合には、リスクリワードレシオをあらかじめ想定した上で、あなたのトレードルールにあった銘柄だけを仕掛けることが重要でしょう。
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