上昇トレンドと下降トレンドを見極めるポイント
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最終更新日:2013/12/14
株式初心者講座
株式トレードの仕掛けの基本は、上昇トレンドの時には買い、下降トレンドの時には売りです。
では、どうやって上昇トレンドと下降トレンドを見極めればいいのでしょうか。
今回は、私が上昇トレンドと下降トレンドを見分けるポイントとして使っている方法をご紹介します。
直近の高値と安値
株価は一直線に変化するわけではありません。
買いと売りの力関係を反映し、バランスをとりながら波を打つように小さく変化し、その小さな変化を繰り返すことで、やがて大きな株価の変化になっていきます。
株価が上昇するということは、株を売る力よりも株を買う力の方が大きいということです。
つまり、株価が下落することがあったとしても、それは一時的なもので、やがて、株を売る力を上回る株を買う力によって、長期的には株価を押し上げていくということです。
たとえば、力強い上昇トレンドの場合、株価の最安値は直近の最安値を下回ることはありません。
つまり、安値と安値を結んだ直線が右肩上がりになるということです。
また、上昇トレンドの場合には、高値についても同じような傾向があります。
つまり、株価の最高値は直近の最高値を上回るということです。
先程と同じように高値と高値を結んだ直線は右肩上がりになります。
逆に、力強い下降トレンドの場合、逆に株価の最安値は直近の最安値を上回ることはありません。
つまり、安値と安値を結んだ直線が右肩下がりになるということです。
また、株価の最高値も直近の最高値を上回ることはありません。
つまり、高値と高値を結んだ直線も右肩下がりになるということです。
一般的に、安値と安値を結んだ直線を支持線、高値と高値を結んだ直線を抵抗線と呼ばれています。
また、トレンドが転換する時には、株価が指示線や抵抗線を突き破った時であり、仕掛けのチャンスと言われていますが、私は必ずしもそうとは言い切れないと考えています。
なぜならば、一般的にセオリーと考えられていることを逆手にとって、利益をあげようとする頭のよい連中が株式市場の中にはたくさんいるからです。
このことについては、かなりのボリュームになってしまうので、また別の機会にご紹介したいと思います。
これまでご紹介してきたように、高値と安値の傾向がはっきりとしていれば、上昇トレンドと下降トレンドの見極めはかなり簡単になるのですが、実際の株式チャートでは、分かりやすいケースばかりではありません。
たとえば、上ヒゲや下ヒゲに代表されるように一時的には高値を切り上げたり、安値を切り下げたりしたとしても、ダマシのブレイクアウトだったり、高値を切り上げる一方、安値を切り下げるといった包み線のような状態や、高値を切り上げることがない一方、安値も切り下げることのないはらみ線のような状態など、持ち合い相場によくある株価の変化を一時的にすることもあります。
高値と安値の変化により、トレンドを判断することが困難な場合には、株式トレードを仕掛けないことが最も有効な手段ですが、長期的に見れば、ダマシの可能性が高かったり、大きな株価の変化をする前にエネルギーを貯め込むための持ち合いだったりする可能性も否定できないため、高値や安値によるトレンドが確認することが困難だからといって、ただちに、株式トレードの仕掛けや監視を辞めてしまうのは、大きなチャンスを逃す要因になることも覚えておくべきだと私は思います。
移動平均線の傾き
直近の高値や安値の傾向が曖昧で、傾向を掴みづらいケースでは、移動平均線が重要な判断材料になります。
直近の高値や安値の場合には、高値と高値、安値と安値を結んだ直線の傾きによって、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかを判断しましたが、移動平均線の場合もまったく同様に、移動平均線が右肩上がりであれば上昇トレンド、右肩下がりであれば下降トレンドと判断するのが基本的な考え方になります。
ただし、ここで注意しなければならないのが、移動平均線の傾きは平均値を算出する期間によって大きく異なるケースがあるということです。
移動平均線の変化は算出する期間が長くなればなるほど鈍くなり、逆に短くなればなるほど鋭くなります。
つまり、短期的な移動平均線でははっきりとトレンドが現れていたとしても、長期的な移動平均線ではそのトレンドを把握することすら困難なケースがあるということです。
たとえば、25日移動平均線は右肩上がりの上昇トレンドだとはっきり確認することができたとしても、より長期の75日移動平均線はほぼ水平で上昇トレンドだと判断するのが困難なケースがあったとします。
このような場合、私は2つの方法にてトレンドを判断するようにしています。
まず、ひとつ目が、短期の移動平均線と長期の移動平均線の位置関係です。
さきほどもご紹介したとおり、移動平均線の変化は短期になればなるほど株価の変化に敏感に反応するという特徴をもつため、上昇トレンドの場合には長期の移動平均線よりも短期の移動平均線の方が、移動平均線の傾きが右肩上がりになるのが早くなるはずです。
ということは、本格的な上昇トレンドが始まった場合には、短期の移動平均線が右肩上がりになるのはもちろん、右肩上がりになった短期の移動平均線は長期の移動平均線より上に位置するのが当然だと考えることができます。
逆に、短期の移動平均線が下降トレンドを示す右肩下がりだったちしても、長期の移動平均線より上に位置しているのであれば、一時的な押し目だと考えます。
下降トレンドだと考えるのは、短期の移動平均線が長期の移動平均線より下に位置してからの方が、正しいトレンドを判断する可能性が高まるでしょう。
二つ目は、株価が移動平均線の上に位置しているのか、下に位置しているのかということです。
たとえば上昇トレンドだと判断した場合、株価が移動平均線の下に位置していると、移動平均線が株価上昇を抑える抵抗線になる可能性があります。
つまり、移動平均線は右肩上がりだったとしても、移動平均線は抵抗線になり、そのまま株価が下落した場合には、上昇トレンドから下降トレンドの転換点で買いを仕掛けることになり、結果的に高値掴みの損切りを迫られるということです。
トレンド方向に対し、逆の位置(上昇トレンドの場合には移動平均線より下)に株価が位置した時には、トレンド転換の可能性を考慮するようにしましょう。
もし、トレンドがそのまま継続するようであれば、株価がトレンドの逆に位置する期間はそんなに長くならないはずです。
ひとつ大きい期間のトレンド
ひとつ大きい期間のトレンドを確認することは、私が上昇トレンドと下降トレンド見極めるポイントとして最も重要視していることです。
なぜならば、小さなトレンドは大きなトレンドの波から見れば、ほんの些細なさざ波でしかないからです。
通常、私は日足チャートで株式トレードを行っているので、仕掛けのポイントを探す時には、まず日足チャートで上昇トレンドなのか下降トレンドなのかを確認します。
そして、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかを確認した後、同じ銘柄を週足チャートで再び上昇トレンドなのか下降トレンドなのかを確認します。
もし、日足チャートでも週足チャートでも同じように上昇トレンドだと判断することができれば、買いの仕掛けのチャンスを待ちます。
同様に日足チャートでも週足チャートでも下降トレンドだと判断することができれば、売りの仕掛けのチャンスを待ちます。
それ以外の時には、銘柄の監視を継続する、ただそれだけです。
日足チャートと週足チャートのトレンドが一致することは、ひとつの銘柄だけでは、そう頻繁に起こるわけではありません。
だからこそ、トレンドが一致しない状態だとしても気になった銘柄については監視を継続し、チャンスを逃すことの無いようにすることが重要です。
日足チャートのトレンドに従って株式トレードを仕掛けるだけでも、短期的には利益を得ることは可能です。
しかし、大きな流れに逆らっていては、小さな利益を得ることができても、その利益をさらに大きく継続させることは困難です。
株式チャートの時間軸を少し広げるだけでも、トレンドを判断する見方が大きく変わってくると私は思います。
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