リスクリワードレシオについての考え方
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株式初心者講座
チャートの形やローソク足の動きを見ることは、私の株式トレードにとって必要不可欠なことですが、チャートを見るだけでは、株式トレードを仕掛けることができません。
なぜならば、チャートやローソク足を見るだけでは、具体的にどれくらいのリスクがあり、どれぐらいのリターンが期待できるのか、分からないからです。
株式トレードが可能な銘柄の中には、綺麗なトレンドを描いていても、値動きが小さくトレードに向かない銘柄があります。
逆に、値動きが激しすぎるため、想定される損失の金額が自分のトレードルールよりも大きくなる銘柄もあります。
つまり、仕掛けたいのか仕掛けたくないのかを判断するのがチャートやローソク足ならば、仕掛けるのか仕掛けないのかを判断するのはリスクリワードレシオだということです。
あなたは、損失と利益が想定できない株式トレードに、大切なお金を投資することができますか。
今回は、損失と利益を想定するために必要な、リスクリワードレシオについて考えてみたいと思います。
リスクリワードレシオとは
リスクリワードレシオとは、損失の金額に対する利益の金額のことです。
たとえば、ある銘柄に対し1000株を100円で買いを仕掛けた時、想定している損切りポイントが97円で、想定している利益確定ポイントが110円の場合、リスクリワードレシオは「想定している利益/想定している損失」、つまり「10/3」となり、リスクリワードレシオは約3.33となります。
リスクリワードレシオは、数字が大きい方が、1度の株式トレードで大きい利益が期待できます。
しかし、リスクリワードレシオが大きいからといって、利益が確実に大きくなるとは限りません。
なぜならば、リスクリワードレシオには、勝率がまったく考慮されていないからです。
株式トレードにおける利益率はリスクリワードレシオと勝率によって、想定することができます。
つまり、株式トレードの仕掛けを考える時には、リスクリワードレシオと勝率をセットで考えることが重要なのです。
勝率の考え方
リスクリワードレシオが「2.0」であるトレードルールで株式トレードを行う場合、利益を得るための勝率は50パーセント以上になります。
勝率50パーセントは、勝つ確率が50パーセントということですが、10回に5回勝てるということではありません。
株式トレードを続けていると、損失のサイクルが続くことがあります。
そんな時に限って勝率が頭に浮び、「これだけ負けトレードが続いたのだから、そろそろ勝てる頃かも・・・」などと、自分勝手な想像をしてみたくなるものです。
しかし、どれだけ損失が続いても、勝率が変わるわけではありません。
もともとの勝率が50パーセントならば、10回損失が続いても、勝利は50パーセントのままなのです。
また、ほとんどの勝率は、過去の統計結果であり、未来を確実に予測するものではありません。
つまり、どれだけ高い勝率のトレードルールだったとしても、損失が続き資金が目減りした時の対処法を、考えておく必要があるということです。
損失が続き、資金が目減りすることを前提とするのであれば、株式トレードに使う資金は、たとえ失ったとしてもあなたの生活に大きなダメージを与えることのないものである必要があります。
また、ある一定割合の損失が出たら、トレードを休むとか、ある回数連続して損失が続いたら、トレードルールを見直すなどのルール作りも必要です。
勝率やリスクリワードレシオは、あくまでも確率です。
勝率やリスクリワードレシオを過剰に重視することは、自分の株式トレードを見失うことになると、私は思います。
リスクリワードレシオのリスク
株式トレードを行う銘柄の中にはリスクリワードレシオが同じでも、損失の金額が大きく異なる場合があります。
たとえば、リスクリワードレシオが同じ「2.0」だとしても、利益10万円損失5万円の銘柄と、利益20万円損失10万円の銘柄があるということです。
リスクリワードレシオが同じでも、絶対的な損失額が違えば、株式トレードを仕掛けるあなたの心理状態が違ってくる場合があります。
つまり、損失額が10万円であれば躊躇することなくトレードを仕掛けることができても、損失額が20万円の場合には、損失が10万円の時と、同じ心理状態で株式トレードを仕掛けることができないということです。
同じリスクリワードレシオにもかかわらず、トレードを躊躇してしまうということは、その銘柄はあなたにとって、オーバートレードだということです。
オーバートレードだということは、あなたにとって荷が重い株式トレードだということです。
どれだけリスクリワードレシオが優れていたとしても、冷静に株式トレードできないのであれば、あなたが利益をあげられる可能性は限りなく小さくなります。
なぜならば、株式トレードを行う上で感情をコントロールすることは、株式トレードのテクニックよりも下の階層に位置する、株式トレードの土台のような存在だからです。
リスクリワードレシオは、判断材料であって、決定材料ではありません。
どれだけたくさんの水を注いでも、器が小さければ、そのまま水はこぼれ落ちてしまうと、私は思います。
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